双眼鏡 アトレックライト (2013/株式会社ビクセン)

通販などで売られている低価格な双眼鏡には何十倍何百倍ズームなどという製品が溢れているが、その多くは実使用には耐えられない無意味に数字だけ大きなスペックの製品が多い。本製品はあえて6倍という控えめな倍率ながら、扱いやすく、また対物レンズの大きな口径により明るく見える、真っ当な双眼鏡である。

アウトドア志向の本格的な双眼鏡のエントリーモデルとして、またこれから自然観察や天文の趣味に向かって行くであろう(行ってほしい)若年者と、オーソドックスな道具を好むいわゆる山ガールをメインのユーザ層として想定した。
 
造形にあたっては、伝統的な双眼鏡のスタイルであるポロプリズムの複雑な形状を、無駄のない最小限の面構成で包みつつ無理なく手になじむ形状を作りあげるべく検討を重ねた。身近な道具を操る楽しさを表現するため、転輪(ピントリング)や視度調整リングはざっくりした大きなディテールに。真っ当な製品に相応しい、奇を衒わない「新しいオーソドックス」な双眼鏡を作るべくデザインした。
パッケージデザイン
「この双眼鏡を持って身近な冒険にでかけよう」というメッセージを込め、本製品の魅力を様々なシチュエーションで先へと続く一本道の写真で表現しようと試みた。
キッズユーザなら、見ただけでわくわくしてもらえるような(枕元に置いて寝てもらえるような)ものとして、まだ見ぬ世界へのイメージの広がりのあるパッケージとして考えた。