赤道儀APシリーズ(2015/株式会社ビクセン)

本格的な天文の世界の入り口に位置づけられる、従来にないモジュール組み替え式の天体観測ツール。
天文沼の良い入口となるものを作るべく、初心者にも敷居が低く、ステップアップの楽しさやワクワク感が伝わるようにと考えた。コンポーネントの魅力をストレートに感じてもらえるよう、シンプルでスマートな造形に徹した。特に「モーターモジュール」は様々なパーツの「核」となるようデザインしている。

また通常の使用に特殊な工具が必要ない構造など、この製品ならではの使い勝手にもこだわった。同社とのお付き合いもかれこれ数年になり、設計者にも意図をくんでいただき(こちらが言う前から「辻村さんならここを気にするだろうと思って」等とありがたいことを言っていただいた)意匠と機構設計がうまく融合した製品となった。

2015年度 グッドデザイン賞受賞
「使い易さを提供する分かり易いデザイン、類を見ない機動性に優れた架台である。この機器は使用者にストレスを与えず、操作性に優れている。」と評された。
JIDA( 公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会)デザインミュージアムセレクションVol.17 選定商品
「大変美しく仕上げられた、従来の概念を一新する赤道儀」と高く評価された。


コアとなるモーターモジュールはじめ、外観にほぼビスが見えない設計

モジュールの組み合わせで様々な用途が広がるシステム図

初期のスケッチで、すでにモーターモジュールのイメージはできていた

ワクワク感をメカニカルな表現で見せる方法もあるが、よりシンプルに潔くという判断になった